コース設計により通学期間を延ばし客単価をアップさせる

コースの整備(システムの整備)により通学期間を延ばすためには、通学スタイルと受講料の支払いパターンをチェックする必要があります。

一般的に通学スタイルは「定期型」と「自由型」に分かれます。
「定期型」は毎週火・木曜日に授業が行われるので、それに合わせて受講生が通学するというものです。これに対して「自由型」は事前予約により好きな曜日・時間に通学できるというものです。

一見、好きなペースで学習できる「自由型」の方が便利なスタイルのように思えますが、自由であるが故にスクールのスタッフがしっかりと受講生の通学ペースや学習の進捗具合を把握し、適切なサポートをしないと、ドロップアウト・不登校(その後、休学・退学)になる可能性があります。

それに比べ「定期型」は、各受講生がスケジュールを調整しながら授業に出席しなければならないという不都合がありますが、その分だけ強制力があり、受講生も何とか頑張って通学するようになり、最終的には「自由型」に比べ不登校になる確率が低いと思います(私の経験上は定期型の方が自由型に比べ不登校率が低かったです)。

しかし、多くの英会話スクールやパソコン教室がそうであるように、最近は自由型のスタイルを採っているスクールが多々あります。
確かに「自由型」には不登校になり易いというデメリットがありますが、スクールの回転率を高め易いという点や受講生(候補)に人気があり広告効果を期待できるというメリットがあります。

従って、既に現在「自由型」を採用しているスクールは、広告で「自由型」を謳いつつ、学習効率や効果などを説明して入学時点で「○○さんは毎週○曜日と○曜日に通学しましょうね」というようにスケジュール管理をするのが最もベストかと思います。

 

次に受講料の支払いパターンについてですが、これは受講前に一括で支払う「一括型」と毎回月謝として支払う「分納型」に大別できます。

受講料の金額や講座の内容にもよりますが、基本的に「一括型」は講座終了時点で改めて次のステップとなる講座を案内する必要があります。しかし、この時点で受講生の心理は講座修了の達成感を抱いていることから、高額の講座は案内しづらくなります。

それに対し「分納型」は、コース設計さえしっかりとしておけば、特に講座の説明をすることなく、受講生は違和感なく次のステップへ進むことになります。

【例】
パソコン初級講座(2ヶ月30,000円)

パソコン中級講座(2ヶ月30,000円)

パソコン上級講座(2ヶ月30,000円)

 

このような講座ステップの場合、一括型は「パソコン初級講座」の受講生が受講修了間近になったら、次のステップである「パソコン中級講座」を案内しますが、この時点で受講生は講座修了の達成感を持ち始めていることから中級講座への申し込みに難色を示す可能性があります。

しかし、分納型として初級+中級+上級をセットにした「パソコン標準コース」と称した講座を用意し、月々15,000円(×6ヶ月)の月謝払いとして案内すれば、受講生は特に講座の区切りを意識することなく上級講座まで進みます。

このように、スクールで実施している既存の講座を整理・再編し、料金の支払い方法を見直すだけで受講生の通学期間は長くなることでしょう。

尚、一般に受講生が受講料として月々払える金額の範囲は、概ね5,000~20,000円といったところです。
この金額をベースに前述のとおり、料金体系の見直しをすると良いでしょう。

また、もし1講座あたりの学習期間が長く、それに比例して受講料が高い場合は「月謝払い」を用意し、その利用状況や次のステップへの進み具合を見て、本格的な料金体系へするかどうかを検討することになります。