クレームの対応

私がパソコン教室の責任者をやっていた頃に、お客様からクレームがありました。

その時、教室にはインストラクターが3人で、教室長である私は不在、クレームを受けたのは一番経験の浅い女性インストラクターでした。

クレームに対して、本人が対応すべきなのか、現場にいる先輩インストラクターが対応すべきなのか、教室長に指示を仰ぐべきなのか、或いは私より上の本部の指示を仰ぐべきなのか、判断がつかないまま、授業中で他の受講生対応も忙しく、ひたすらお詫びするのが精いっぱいで、お客様はそのまま帰ってしまったそうです。

後でお客様に聞いたら、クレームの内容は「インストラクターの説明が分かりにくかった」というものでした。それを本人に言っても埒が明かないので、怒りをどこにぶつけたら良いのか分からず苛立ったとのことでした。

 

後日、お客様と私とそのインストラクターの3人で話す時間を設けて、状況を確認してお詫びし、そして今後の解決案をご提案し、結果的には、その対応によりそれまでよりも強い信頼を得ることが出来てその後も長く通っていただきました。

しかし、この件で私は深く反省しました。クレームがあった際の対応方法を、スタッフに何も示していなかったからです。責任者不在時にクレームがあった場合を想定して、スタッフにもお客様にもそのクレームの矛先になる人を示しておいてあげればよかった。そうしておくことでスタッフも「申し訳ありません。〇〇がしっかり対応させていただきます」と対応ができるし、それがスタッフを守ることにもつながるのです。

クレームには当然、「誠実に」「速やかに」対応できるかが重要です。しかし、スクール事情で責任者が常駐できないケースは多々あると思います。その時に起こり得るトラブルを想定し、具体的な対応法を決めておくことは大事だと痛感した出来事でした。