職人スタイルから起業家スタイルへ

一般的な会社員の場合、その人にしか出来ないスキルや技能があると、その人の評価はその分だけ高くなります。しかし、スクール経営という観点から見ると、そのような考え方は必ずしも良いとは言えません。

講師という仕事は、タイプとしては専門職或いは職人という分類に入ると思います。例えば経営者が授業を担当していて、自分にしか出来ない授業や作業が増えていけば、その仕事を誰にも任せることができなくなってきます。したがって、「休みたくても休めない」「新しいことにチャレンジする時間が取れない」という事態になってしまいます。

「もっとスクールを大きくしたい」「もっとスクールの数を増やしていきたい」「もっと多くのお客様に自分が考える授業を提供したい」と考えるならば、自分が授業をしなくてもスクールが存在できるような「起業家スタイル」の考えを持つ必要があります。職人から脱却して経営者になるということです。

そうなるためには、まずは自分の分身を作ることが大事であり、「ここまでの仕事は任せる」といったように「割り切る」ことが必要です。つまり「自分の分身を作ること」を一番の仕事と考えるのです。その分身はあなたよりも授業の質は劣るでしょうし、作業にも時間がかかると思います。しかし、その分身はあなたに時間を与えてくれます。それまで授業や作業に終われて持つことができなかった「考える」という時間です。どこまでを任せるのかという部分は、しっかりと考えないといけませんが、スクールを大きくしていきたいと考えるのであれば、そういった職人スタイルから起業家スタイルへの移行は必要だと思います。