新人講師は生徒の3倍勉強する

どんな分野においてもスクールで講師として生徒に授業をするのであれば、プロ意識を持って必要な知識や技能を習得し、それを磨き続けていかなければなりません。

ベテラン講師になってくればくるほど、どこが重要でどこで生徒がつまずくかが分かるようになってきますので、授業の質はどんどん上がっていくものです。

講師を育成していく上で、一番大切なのは新人の時期です。最初のうちは知識があっても経験がないので、良い授業を提供するのは非常に難しいと思います。知識を身に付けることと、それを人に教えることは全く別のスキルだからです。

しかし、授業経験というものは担当した授業の分だけしか蓄積させられませんが、知識に関しては頑張って勉強した分だけ身に付きます。

生徒が一生懸命勉強するのであれば、講師はそれに答えられるだけの知識や技能を持って授業をしなければなりません。私が感じるのは「初めて担当する授業は生徒の3倍は勉強しないとダメだ」ということです。

私も新人パソコン講師の頃は、授業の準備と予備知識の勉強だけで精一杯でした。当時は、1回の授業の準備をするのに授業時間の3倍くらいかかっていました。通常のパソコン講座は1時間半だったので準備に4~5時間くらいでしたが、国家試験のクラスは1回2時間半の講座だったので、準備に7~10時間くらいかかっていました。当時は火曜と金曜の週2回の授業だったので、火曜の授業が終わってから次の金曜の授業の準備をするのが非常に大変で、苦しい思いをしたものです。

新人の時に頑張った経験はその後の講師としてのキャリアの基盤となる重要なものです。良い講師を育成できるかどうかは最初の1~2年で決まると言っていいと思います。この大事な時期をしっかりとサポートできるような育成体制を整えることはとても重要です。