退会防止の重要性

スクールによって入学する時期、卒業する時期が違うので一概には言えませんが、語学、スポーツ、趣味などを対象とした随時入学、随時退会というサイクルで経営しているスクールが、絶対に注意すべきことが退会の防止です。

お客様が1名入会されることと、お客様が1名退会されることは、数字上ではプラスマイナスゼロです。

しかし、1名の入会者を獲得するためのエネルギーと1名の退会を防ぐエネルギーを比べると、圧倒的に前者の方にエネルギーを要します。もっと言うと費用コストも多くかかります。

したがって、新規顧客の入会よりも既存顧客の退会の方が、スクール経営にとってはダメージが大きいと思うのです。

しかし、「新規募集=攻め」「退会防止=守り」というようなイメージを持ち、どちらかというと新規募集に力を入れている経営者が多いように思います。

例えば、新規募集に関しては、「来校率」「成約率」「客単価」「成約人数」「売上高」などスタッフ個人レベルで細かく評価基準を設定していても、退会防止に関しては、そこまで細かい評価基準を設定していないケースが多いです。

もっと退会率を下げられるような仕組みを検討することが非常に重要だと思います。

しかし、勘違いしてはいけないのが、必要な受講が終わった生徒に対して、無理に次の講座申込みを勧めることです。過度な追加申込みの勧誘は、生徒からするとただの迷惑だからです。やり過ぎるとせっかく構築してきた信頼関係が一気に崩れてしまう恐れがあるのです。

ですから、日頃から生徒とコミュニケーションをしっかり取りながら、本当にその生徒が必要としているスキルや知識がきちんと身に付くところまでは、絶対に退会しないような体制を整えることが大事なのです。