
実戦的な経験が、映像制作を学ぶ重要なポイント
映画学校や映像制作スクールにおいて、「現場の実習」がカリキュラムに組み込まれていることは、プロとしてのキャリアを築くうえで極めて重要な要素です。
映像制作のスキルや知識は、教室の中で座って話を聞くだけでは決して身につきません。
実際にカメラを構え、照明を調整し、演出を行い、仲間と議論しながら一本の作品を作り上げる──そうした実践的な経験を通して初めて、映像制作の本質が体得されるのです。
目次
1.映像制作における対面学習の重要性
以下に、「現場実習」の重要性について、いくつかの観点から詳しく説明します。
1)理論だけでは身につかない“現場感”を養うため
映像制作には多くの専門知識があります。構図、編集技術、音響、カラグレ、演出理論など、多くの知識が教科書的に存在します。
しかし、これらはあくまで「前提知識」にすぎず、実際の撮影現場では、理論通りにいかないことのほうが多いのが現実です。
たとえば、「自然光が思ったように入らない」「役者が動きにくい動線になってしまった」「機材がトラブルを起こした」など、現場には不測の事態がつきものです。こうした状況に即座に対応する判断力や柔軟性は、現場での実践を通してしか身につきません。現場実習は、まさにそうした「理論を現実に落とし込む力」を育てる訓練の場なのです。


2)チームでの制作を経験し、“職能の役割”を理解する
映像制作は一人で完結する作業ではありません。
プロの現場では、監督、撮影、照明、録音、編集、美術、演出助手など、それぞれの職能が明確に分かれており、各人が専門性を発揮しながら協力して一つの作品を作り上げることが求められます。
学校の実習では、学生同士でこれらの役割を担当し、自分とは異なる専門領域を持つ人とどのようにコミュニケーションを取るか、どのように現場をまとめるかといった“対人スキル”も自然と磨かれていきます。これこそが、実際のプロの現場で即戦力となる人材に共通する力です。
3)機材の扱いとトラブル対応を体で覚える
映像制作の技術は、座学で頭に入れても、実際に触ってみないと理解できない部分が多くあります。
たとえばプロ用のシネマカメラは、操作が複雑で、設定一つで映像の質が大きく変わります。
照明器具の設置や調整も、理論だけでは適切な光の当て方は分かりません。
現場実習では、こうした「機材を自分の手で操作する経験」を積むことができます。また、実際の現場で機材にトラブルが発生した場合の対処法や、代替案を即興で考える力など、実戦的なスキルも養うことができます。これは、後々フリーランスやスタッフとして働くうえで、非常に重要な力になります。


4)現場を経験することで「職業意識」が芽生える
実習を通じて、学生は「自分がどの職能に向いているのか」「どういう仕事のスタイルが好きなのか」を肌で感じることができます。
また、現場での緊張感や達成感を経験することで、ただの“映像好きな学生”から、“職業人”としての自覚が芽生えるのも、大きな意義の一つです。
実際、映画学校での現場実習を通して、「やっぱり編集の仕事がしたい」「自分はプロデューサー的なポジションが向いている」といったキャリアの方向性を定める学生も多くいます。
これは、キャリア設計という意味でも非常に価値のある経験です。
学外への発信と評価の機会にもつながる
学校によっては、現場実習で制作した作品を学内の上映会だけでなく、外部の映画祭やコンテストに出品する機会が用意されています。
これは、作品を通じて自分の名前や実力を世の中に示すチャンスであり、将来の就職活動やフリーランス活動にもつながる“実績”となります。
こうした実践を積むことで、履歴書では語れない「作品を通じた自己表現」が可能となり、面接やオーディションでのアピール材料にもなります。
2.おすすめのスクール

1)TMS映画映像学校
未経験者向け | ◎ |
就職実績・就職支援 | 希望就職率100% |
カリキュラムの特長 | 1年制で映像制作の基礎から、学びプロの撮影現場で実践的教育 |
受講料 | ¥1,680,000(入学金、受講料、実習費含む) |
所在地 | 東京都新宿区新宿1-34-15 新宿エステートビル7F 新宿駅C7出口より徒歩約15分、新宿御苑前駅より徒歩約5分、新宿三丁目駅より徒歩約10分 |
おすすめ度 |
映画・映像業界で働くためには「実績」・「人脈」がないと働き出すことは難しいです。
どんなに立派な大学を出ても、どんなにすごい資格をもっていても制作現場が欲しているのは即戦力です。
大学に行ったり、何年も専門学校に通っても手に入らない「実績」・「人脈」を手に入れることができます。
最近は高卒生も増えています。
TMSでのわずか1年のカリキュラム中で、実際の撮影現場に数多くスタッフとして参加しギャラを得て多くの「実績」と「人脈」を築き「就職」してもらえればと思います。そして授業では働き出してから辞めないように長続きする映像業界社会人マナーを身につけていただきます。
あいさつ、制作費清算、ロケハン、八の字巻き、車両への積み込み方法、タレントへのお茶の出し方など他の学校さんでは教えない、実際に役立つノウハウを身につけていただきます。
TMS 東京映画映像学校では、よりグローバルな視野で活躍する人材を育成したいという思いから、ジョブトレーニングコースの入学時期を4月と10月の年2回設けています。カリキュラム上の違いはありません。
おすすめチェックポイント
- プロの現場での年間600本の圧倒的な撮影実習数
- 就職実績・就職支援
- 1年間でのカリキュラム
- 母体が制作会社なので企画~納品まで一通りを経験することが出来る
2)バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ
未経験者向け | ◎ |
就職実績・就職支援 | ポートフォリオ対策や求人紹介、提携転職エージェント支援 |
カリキュラムの特長 | 少人数制の対面授業を実施することで、一人ひとりに講師が直接丁寧に指導 |
受講料 | 入学金 ¥50,000 映像クリエイターコース【6ヶ月】¥750,000(受講料、設備費、実習費含む) 映像クリエイターコース【12ヶ月】¥1,250,000(受講料、設備費、実習費含む) 映像クリエイターコース【応用】¥750,000(受講料、設備費、実習費含む) |
所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南1-9-14 (JR線・東京メトロ日比谷線/恵比寿駅より徒歩2分、東急東横線/代官山駅より徒歩7分) |
おすすめ度 |
映像クリエイターコースはデジタルスキルのみならずクライアントニーズ、トレンドを反映した映像コンテンツの企画提案~制作、スタジオワーク、プロモーションなどトータルベーシックスキルを習得し、ワンオペレーション制作からチーム制作ディレクションまでできる人材を育成を目指しているスクールです。
現在の映像業界では、編集スキルだけでなく、企画から撮影、編集まで一貫して対応できる人材が求められています。自ら企画力や撮影スキルを身につけることで、より訴求力の高い映像制作が可能となるため、総合的なスキル習得をおすすめします。
企画・撮影・編集のすべてを担えるスキルがあれば、ワンストップでの案件受注が可能となり、部分的な業務請負よりも制作単価を上げることができます。将来的には、場所や時間に縛られない柔軟な働き方の実現も十分可能です。
また、CMや音楽PV、Web動画など、需要が高まる映像コンテンツの制作スキルを習得できます。
おすすめチェックポイント
- 完全オフラインにこだわった通学型授業
- 仲間と出会える豊富なコミュニティ&卒業生との交流会
- 6ヶ月、1年間と選べるカリキュラム
- さまざまなキャリアサポート体制
3)ニューシネマワークショップ
未経験者向け | ◎ |
カリキュラムの特長 | 映画監督を目指す「つくるコース」と映画業界への就職を目指す「みせるコース」の2コースから希望に合わせて受講することが出来る。 |
就職実績・就職支援 | [つくる]コース、[みせる]コースを終了すると、各々「制作部」「配給部」に所属することができ、自分の目標(映画監督、映画スタッフ、映画業界への就職etc.)に到達するまで、様々な形でサポートを実施しています。 |
受講料 | ▼つくる 映像クリエイターコース:ベーシック【週1回/6ヶ月】¥298,000(入会費、運営費、設備費、実習費含む) 映像クリエイターコース:アドバンス【週1回/6ヶ月】¥298,000(入会費、運営費、設備費、実習費含む) ▼みせる 映画ディストリビューターコース:ベーシック【週1回/6ヶ月】¥298,000(入会費、運営費、設備費、実習費含む) 映画ディストリビューターコース:アドバンス【週1回/6ヶ月】¥240,000(運営費、設備費、実習費含む) |
所在地 | 東京都渋谷区東1-29-3 渋谷ブリッジ5F (渋谷駅より徒歩10分、代官山駅より徒歩10分、恵比寿駅より徒歩10分) |
おすすめ度 |
[つくる]コース、[みせる]コースを終了すると、各々「制作部」「配給部」に所属することができ、自分の目標(映画監督、映画スタッフ、映画業界への就職etc.)に到達するまで、様々な形でサポートを実施しています。
各コースは半年間で完結。[ベーシック]&[アドバンス]を受講すれば1年間の学習が可能。短期間で目標に向かってスキルを身につけられます。
週1~2日のスケジュールで、社会人や学生も無理なく受講可能。オンライン完結型のコースや、欠席時にアーカイブ視聴できる授業も用意されており忙しい人でも通いやすいシステムになっています。
また実習を中心としたカリキュラムで、プロの現場に即したスキルを習得。実践を通じて映画制作の即戦力を養います。
ニューシネマワークショップ最大の強みは、修了後の手厚いサポート。
[つくる]コース、[みせる]コースを修了すると、それぞれ「制作部」「配給部」に所属可能。映画監督、映画スタッフ、映画業界への就職など、目標達成まで多方面から支援を受けられます。
おすすめチェックポイント
- 短期間で映画の世界へ
- 忙しい人でも無理なく通える
- 徹底した実践で即戦力養成
- 修了後も手厚いサポート
4)東放学園映画アニメCG専門学校
未経験者向け | ◎ |
カリキュラムの特長 | 映画やMV、アニメなどの作品を制作するための実習が充実。授業時間外も機材・設備の貸し出し可能。 2年間じっくりと作品制作に打ち込むことができます。 |
就職実績・就職支援 | 就職講座や企業説明会、求人・コンテスト情報検索システム、ポートフォリオ制作をはじめ、校内常駐のアドバイザーによる個別カウンセリングなど様々な形でサポートを受けることが出来る。 |
受講料 |
1年次¥1,446,610(入学金、授業料、実習費、保険料等含む) |
所在地 | 東京都新宿区西新宿5-25-8 (都営地下鉄大江戸線「西新宿五丁目駅」下車 A1出口すぐ) |
おすすめ度 |
東放学園映画専門学校では、映画、ミュージックビデオ、CM、アニメ、小説などの制作において、ゼロからアイデアを生み出し、それを形にするクリエイターを育成しています。「現場から生まれた学校」としての実践的な教育ノウハウを活かし、映画監督の堤幸彦氏や行定勲氏をはじめ、多くの卒業生を輩出しています。
校舎には、最新の映像制作を学べる機材・設備が整っており、映画・ミュージックビデオ・CM撮影用のスタジオやアニメ作画ルーム、業界標準のソフトウェアを完備したPCルームなどを備えています。さらに、最新のデジタルビデオカメラを含む充実した機材が揃い、学生の自主制作をサポートするため、機材や施設の貸し出しも積極的に行っています。
また、現役の映画監督やアニメ監督、作家などが講師を務め、実習を重ねることで、プロの現場で求められる技術やセンスを身につけます。
就職・デビュー支援も充実しており、在校生・卒業生向けの求人情報検索システムを通じて最新の求人情報を閲覧可能。企業説明会やインターンシップ、個別相談なども実施し、一人ひとりのキャリア形成を手厚くサポートしています。
おすすめチェックポイント
- 専門学校なので2年間じっくり制作に取り組むことが出来る
- 映画・映像・アニメ・小説など、各業界の現役講師陣が直接指導
- 業界企業や団体とのコラボ作品を多数制作
- 映画制作・プロモーション・アニメーションCG・小説創作の科(コース)選択
5)東京ビジュアルアーツ・アカデミー
未経験者向け | ◎ |
カリキュラムの特長 | カリキュラムは実習がメイン。2年間を通じて、個人やグループで様々な映像制作に取り組み、現場で求められる想像力・表現力・対応力・コミュニケーション能力を養います。 |
就職実績・就職支援 | キャリアサポートセンターにて、業界とのネットワークを活かした企業研究、求人企業の新規開拓を実施。 さらに、年間スケジュールに基づいた個別指導、インターンシップ(企業研修)の紹介や卒業後の就職サポート。 |
受講料 |
1年次¥1,452,000(入学金、授業料、施設費、保険料等含む) |
所在地 | 東京都千代田区四番町11 (JR『市ヶ谷駅』/南北線・都営新宿線・有楽町線『市ヶ谷駅』3番、A3番出口 徒歩8分) (有楽町線『麹町駅』6番出口 徒歩5分) |
おすすめ度 |
9つの専門コースで、実習を中心に学び、プロの技術を習得します。
テレビ放送分野では、バラエティーやドラマなどのジャンル別に学べるコースを設置し、ディレクター、カメラマン、音声、照明、編集、MAなどの専門職ごとに学ぶカリキュラムを用意しています。映画や動画制作分野では、実際の現場と同様の設備を活用しながら、インターンシップ制度を通じて幅広い知識と高度な技術を身につけます。プロの第一線で活躍する講師陣が直接指導し、実践的なスキルを磨く環境を提供します。
またグループ単位でバラエティー番組の企画・制作から撮影、音声、照明、編集までを一貫して学び、業界で求められる現場対応力を身につけます。さらに、学内にはデジタルハイビジョンに完全対応した最新鋭のテレビスタジオを完備。実践を重ねることで、技術やノウハウを確実に習得できる環境が整っています。
おすすめチェックポイント
- 専門学校なので2年間じっくり制作に取り組むことが出来る
- 映画・映像・アニメ・小説など、各業界の現役講師陣が直接指導
- 業界企業や団体とのコラボ作品を多数制作
- 映画制作・プロモーション・アニメーションCG・小説創作の科(コース)選択
映像の世界を“生きる”ためには、現場の実習が不可欠
映画や映像の世界は、実践の中でこそ成長できる領域です。どれだけ優れた知識やセンスがあっても、それを現場で活かせる力がなければプロとしては通用しません。
だからこそ、現場実習は、単なる「授業の一環」ではなく、プロの世界へ足を踏み入れる“疑似体験”であり、かけがえのない学びの場なのです。
映画学校や映像制作スクールを選ぶ際は、ぜひその学校にどれだけ実践的な現場経験の機会があるかを確認してください。
それこそが、あなたの将来を大きく左右する、最も重要な要素の一つになるでしょう。