生徒の立場にたって映像授業について考える

IT技術の進化に伴い、教育業界では授業の映像化が進んでいます。授業の映像化のメリットとデメリットを考えてみるとメリットとしては、

1、講師が1人いれば、全国の校舎に授業を配信できる

2、教え方のうまい講師の授業を全国の校舎に配信できる

3、アニメーションやキャプチャー動画で授業を製作できる

4、いつでもどこでも受講できる

5、繰り返し受講できる

などがあげられます。

 

またデメリットとしては、

1、校舎に直接、質問対応できる人がいない

2、システム頼みの運用になり、自宅受講との差別化が難しい

3、個別授業になるので生徒はモチベーションの維持が難しい

4、生徒同士のコミュニケーションが無くなりやすい

などがあげられます。

 

私のスクール運営経験から言うと、授業を映像化する場合、もっとも大事にしないといけないことは「スクールでキチンと質問対応ができるか」です。どんなスクールでも、生徒は何かを学ぶために通っているわけですから、学んでいる内容について疑問や質問・相談がでてきた時に、満足できる解答・解説・アドバイスが即座にもらえるかどうかは最も重要なポイントです。

映像授業はスクール側にとってはメリットが多いですが、生徒からすると少ないように思います。なんだかんだとうまく理由をつけて、スクールの都合に合わせたシステムであり、生徒の都合に合わせていないことが多いように感じます。

ですから、理想は映像授業と対面授業の、それぞれの生徒にとってのメリットを合わせたような授業システムを構築することです。

つまり、授業は映像で受講できて、なおかつスクール内で質問対応がしっかりできるような授業システムです。

映像授業の場合、「質問はWebで」というシステムが多いです。そうなると自宅で勉強するのと変わらなくなってきてしまいます。「質問ができる」「学習や就職についてなどの相談ができる」というように、生徒にとって学校に来るメリットがないと良い授業システムだとは言えません。

いくらIT技術が進化しても、教育の根本は結局は人対人のコミュニケーションが基本です。その部分をしっかりと担保できるような映像授業システムが、生徒にとって学びやすい映像授業システムなのです。